以前の記事でも触れましたが、息子の小学校入学を機に、おままごと関係のおもちゃを1階から2階へと移動することにしました。
理由は2つあります。
ひとつは、息子の生活スタイルが変わり、以前のようにはおままごとで遊ばなくなったこと。
もうひとつは、子供部屋に学習机を置くことになり、スペースが限られてしまったことです。
おままごと自体を手放したり、規模を縮小することも考えましたが、「やりようによってはまだ遊べるはず!」と思い直し、階段を上がった先にある、ちょっとしたホールに移動することにしました。
▼詳しい経緯をは、こちらの記事にまとめています
そのホールは、もともと洗濯物を干す場所として使っている空間で、なんとなく行き場を失った、ボードゲームやトランポリン、鉄棒なども置いてありました。
いまひとつ「どう活かすか」が定まっていない、ちょっともったいないスペースです。
そんな中でふと思いついたのが、「カフェ」というコンセプト。突然のひらめきでした(笑)
私はカフェが好きで、読書したり、考え事をしたりと、ひとり時間を満喫する場所としてよく利用しています。
そんなカフェのような空間が家にもあったら素敵だなと、以前から考えていたのですが、「ごっこ遊びもカフェ風に進化させられるかもしれない」と思ったのです。
さらに、カフェというコンセプトであれば、ボードゲームや絵本、その他の色々な別ジャンルのおもちゃも、”装飾やメニューの一部”として、ひとつの空間に共存させられるんじゃないか、という発想も浮かびました。
今回は、そんな私の思いつきから始まった、我が家の『遊びと共存する収納』のカタチをご紹介します。
おままごと×ボードゲーム×絵本|空間に”役割”をもたせて共存させる
カフェ風の空間を目指すうえで意識したのは、「それぞれのおもちゃが自然と空間になじみながら、遊びたいときにはすぐ使える」ということ。
大きさも形もバラバラなジャンルを共存させるため、それぞれに”役割”をもたせることにしました。
おままごと→【空間の主役】
息子が小さい頃から少しずつ集めてきたアイテムの中から、カフェメニューとして使えそうなものを見える位置へ。
それ以外は引き出しにまとめて、取り出しやすいけど見えすぎない、主張をおさえた収納にしました。
また、足りないアイテムは親子で手作りして補うことで、カフェを作る段階も遊びにできたのは嬉しい誤算でした。



これ以上おままごとアイテムを増やすつもりはなかったけど、CASDON(キャスドン)のコーヒーメーカーだけは、カッコよくてつい買ってしまいました。
だって、本物のデロンギさながらに音もでるんだよ!
ボードゲーム→【コンセプトの柱】
どんどん増えて、行き場がなくなりなんとなく2階に置いていたボードゲームたち。
でも「ボードゲームカフェ」というコンセプトを取り入れたことで、ただ置かれているだけじゃなく空間のテーマとしての役割ができました。
たまたまカフェ空間を作る前に、本物のボードゲームカフェに行っていたこともあり、息子もイメージがしやすかったようです。
息子の発案で、「ひとりでカフェにきたお客さん(私)は、店員さん(息子)とゲームができる」とメニューも登場しました(笑)


絵本→【壁を彩るアクセント】
実は「ブックカフェ」というコンセプトも検討したのですが、本の量が多く全てを置くとごちゃごちゃしそうなので、今のところは一部をアクセントとして利用しています。
季節の本を目立つ位置に置こうと言い出したのは息子のアイデアで、少し距離ができていた絵本もまた身近になり、手に取る機会が増えました。



それぞれのアイテムに「収納・装飾・遊び」の要素を兼ねた”役割”をもたせることで、ただ物を並べただけではない、理想の空間に近づけた気がします。
「出しておく」ことがプラスに。空間として”整える”ための工夫
”遊びと共存する収納”をつくるうえで避けて通れないのが、「片付け」の問題です。
ホールは毎日遊ぶ場所ではありませんが、寝室から1階に下りる際に必ず通る空間。
遊ばない日でも自然と目に入るからこそ、ストレスにならない状態で整えておきたいと思いました。
ですが、実は私「おもちゃは出しっぱなしでもいい」と考えています。
もちろん、乱雑に放置されている状態がいいという意味ではなく、生活のなかにおもちゃが自然と溶け込んでいる風景こそ、子どものいる家庭の醍醐味であり、家族の思い出だと思うのです。
だからこそ、すべてをしまい込むのではなく、”おもちゃがあっても散らかってみえない”、”必要になったときにはすぐに遊べる”という2点を意識して以下のような工夫をしました。
棚の中で”役割”ごとに分ける
棚の上段には、フードやコーヒーメーカー、レジなど、本物のカフェにもあるような”雰囲気をつくるもの”をディスプレイ感覚で出しっぱなしに。
それ以外のおままごとアイテムは引き出し収納にして”出す・しまう”のメリハリをつけました。
コンロやシンクも、カフェではあまりつかわないので、コンパクトに収納できる仕様を活かして、棚の下段にまとめました。
ボードゲームは、サイズが大きいものは立てて収納し、小さなカードゲームなどはボックスにまとめてスッキリ感をだしました。
絵本は、季節感のあるものを中心にセレクトして、一定期間で入れ替えることで、”装飾”としても”遊び”としても飽きがこないようにしています。
”動き”に沿った配置にする
棚の高さや並べ方も、息子の動線を考えて調整しました。
たとえば、コーヒーメーカーを置いた棚は、他の棚より少し高さのあるものにし、背の高い息子が立ったまま使いやすいようにしています。
また、1階で使用していたときは、見える場所にお皿を置いていましたが、カフェ風のレイアウトに移行してからは、取り出しやすいけど見えにくい場所(=コーヒーメーカー下の引き出し)に収納。
よく使う順に、上段→中断→現段へ流れるような配置にすることで、使いやすく戻しやすい収納になりました。
”余白”を意識する
空間に余白を作ることも意識したポイントです。
棚の上すべてに物を置いてしまうと圧迫感が出てしまうので、一部は”作業スペース”として空けました。
それによって、レジを置いてカウンターにしたり、コンロやシンクを置いて調理場にするなど、必要に応じて変化させることもできます。

この空間は「道具が使いやすく配置されていること」「しまいこまなくても空間として心地よく見えること」を意識しました。
まさにそれは、私が目指している収納のカタチでもあります。
”兼ねる空間”だからこそできたこと
遊びの内容がまったく違う「おままごと」「ボードゲーム」「絵本」。
本来なら、それぞれ専用の収納場所や遊ぶ空間が必要になりそうなジャンルですが、我が家ではあえてひとつの棚で共存させることにしました。
その結果できあがったのが、”収納”と”遊び”のどちらにも使える「兼ねる空間」。
たとえば、カフェごっこの中で店員さんとボードゲームを楽しんだり、やり取りの流れから絵本の話題になったりと、ひとつの遊びからさらに別の遊びが生まれる、そんな場所になりました。
それでいて、普段使いとしてもボードゲームは選びやすく、絵本は表紙が見えるディスプレイで手に取りやすくしています。
そして、「全てをしまいこむ」のではなく、”見せながら、使いやすく、暮らしに溶け込ませる”という視点で収納を設計。
「しまう」と「使う」のあいだを自由に行き来できる、そんな柔軟な空間ができたと感じています。
子どもの「今」に合わせて、空間はアップデートしていける
子どもの成長とともに、遊び方や好み、過ごし方はどんどん変わっていきますよね。
今回のおままごと空間も「まだ遊べる」と思って残したものの、そう遠くない未来に卒業する日は来るだろうと思っています。
だからこそ、「そのときどきに合ったかたちで使える」ことを意識して、空間づくりをしてきました。
このスペースは、おままごとのために作ったけれど、これからも息子の興味や成長にあわせて、“遊びが変わっても使い続けられる空間”として活用していけたらと思っています。
子どもが成長したら、そのときは本当のカフェスペースにしてもいいし、読書コーナーや、ちょっとしたワークスペースにするのもいいかもしれません。
「収納」はただ“もの”を収める場所ではなく、“暮らし”に寄り添う存在。
そのときどきの子どもの「今」と対話しながら、アップデートしていくことこそが、私にとって理想の収納スタイルです。