子どもとの時間を整える

積み木で遊ばない子に焦ってた私へ。5年後にたどり着いた“親の答え”

2025年6月6日

いつもは「おもちゃ収納」について発信している私ですが、今回はその”根っこ”にある「おもちゃそのもの」について書いてみたいと思います。

そのおもちゃとは『積み木』です。……正直に言うと、この件で私はけっこう病みました(笑)

でも、だからこそ見えてきたことがあります。よかったらぜひ最後まで読んでいってください。

積み木って、創造力・空間認識力・バランス感覚・集中力など、いろんな力が育つと言われていて、まさに知育おもちゃの代表格ですよね。

とはいえ、私がその”すごさ”をちゃんと認識したのは、子育て情報を得ようとはじめたInstagramがきっかけ。

しかも、早ければ生後6ヶ月頃から遊べるとも言われているなか、そのとき息子はすでに3歳近く。

出遅れた気がして焦り、連日睡眠時間を削ってあれこれ調べたものです。

さらに、息子があまり積み木に興味を示さなかったことで、「タイミングを逃した?」「私の遊ばせ方が悪いのかも…」と、どんどん思い詰めていきました。

でも息子が7歳になった今、少しだけ”答えのようなもの”が見えてきた気がしています。

この記事が、あの頃の私のようにモヤモヤしているママの気持ちを、ほんの少しでも軽くするきっかけになったら嬉しいです。

「なんでうちの子は積み木で遊ばないの?」|試行錯誤と募る不安

それまで私の積み木に対するイメージといえば、”木材そのものの素材感を活かしたナチュラルな色味”で、形も”立方体と円柱形といったシンプルなもの”。

いわゆる「昔ながらの積み木」でした。

ところが、Instagramで見かけた積み木は、色もカラフルで、形もユニーク。まずはその見た目の進化に驚きました。

ちょうどグリムスのアーチレインボーが流行っていた時期。あれは衝撃でした!

さらに、シュタイナー教育やエミリオ教育など、さまざまな教育法で積み木が活用されていることや、奥深い知育効果を知っていくうちに、「これはもう絶対にやらせなきゃダメだ」と、焦る気持ちが強くなっていきました。

そこでまずは、いつも目に触れる場所にそっと置いてみたり、「一緒にやってみようか」と声をかけて誘ってみたり…。

いろいろ工夫してみましたが、息子は思うように遊んでくれません。

それでも諦めきれず、「好きなおもちゃと掛け合わせてるといいらしい」という情報を頼りに、トミカやプラレールのコースに積み木を組み込んで、トンネルや建物を一緒に作ってみたりもしました。

できあがって喜んだのも束の間。

トミカや手がぶつかって積み木が崩れると、それを直すのに時間がかかり、肝心のトミカ遊びが中断されてしまう。

そのたびに息子は息子はイライラし、中断の原因となる積み木を、ますます避けるようになる。

そして思うようにいかないことに私もイライラ。

まさに悪循環でした。

内心、息子が望んでいる遊び方ではないと気づきつつも、「でも今遊ばせないと手遅れになるかも」と、笑顔を引きひきつらせ息子のご機嫌をとりながら遊んでいた。

今思えば、あの時間は完全に”私のための時間”だったと思います。息子の姿よりも「積み木で遊ばせなきゃ」という理想ばかりを見ていました。

結局、自ら「積み木で遊びたい!」と手を伸ばすような姿は、とうとう一度も見られず。

でも当時の私は「私の誘い方が下手なのかな」「もっと早く与えていれば違ったのかな」

そんなふうに考え続け、どんどん沼にハマって暗い気持ちに…。

そして気づけば、楽しく積み木で遊ばせる方法ではなく、「積み木で遊ばなくても大丈夫」と言ってくれる”正解の言葉”を、延々と探し続けるようになっていったのです。

積み木と付かず離れずの日々|カプラで気づいた”息子の本音”

「子どもって、自然と積み木で遊ぶようになるものじゃないの?」「なんでうちの子は遊ばないんだろう…?」

そんなモヤモヤを抱えながら、積み木の種類を変えてみたり、無理に誘いすぎたりしないよう”付かず離れず”の距離で関わり続けていたある日。

なんとなくカプラを積み上げていた私は「これ、どこまで高く積めるかやってみない?」と、息子を誘ってみました。

断られるかと思ったけれど、意外にも息子は乗り気になり、最終的には私の背の高さくらいまで積み上げることができました。

積み上げている間も息子は楽しそうで、「もしかしたら今回はハマるかも!」と期待が膨らみました。

でも、いざそれを崩す場面になたったとき、息子が両手でぎゅっと耳を塞ぐ様子を見せたんです。

その姿を見て、ハッとしました。

「……あれ?こんな様子を前にも見たことがある」

それまで、積み木を片付けようとしたときや、不意に崩れたときにビクッとする息子の姿がフラッシュバックのようによみがえってきました。

そして、ようやく気づいたのです。

息子は、大きな音が苦手だったんだ。

積み木が崩れるときの”ガシャーン”という音。

私にとっては当たり前の遊びの一場面でも、息子にとっては不快で、避けたい出来事だったのかもしれない。

そう思ったら、今まで積み木にあまり手を伸ばさなかった理由も、息子が見せていた数々の反応も全て繋がったような気がしました。

こっこ
こっこ

ちなみに、カプラは崩れたときの音が比較的やさしいからか、その後もちょこちょこ手が伸びる機会がありました。

とはいっても、床に並べて部屋を作ったり、ドミノにしてみたり、積み上げて崩すような使い方はあまりしません。

でも、そんなところが息子らしいなと今は愛おしく思います。

 

積み木で遊ばないと子育て失敗?|資格まで取った私がたどり着いた考え

当時の私は「積み木で遊ばない=何かが足りない=親として至らない」そんなふうに、どんどん自分を追い詰めていました。

「積み木で遊ばなくても大丈夫」

たったそのひと言がほしくて、必死で本やネットを探し回ったけれど、どこを見ても載っているのは「こうすれば遊ぶようになりますよ」という”対策”ばかり。

「うまく導けていない私が悪いのかな」「もう手遅れだったんじゃ…」

気づけば、息子のためというより、自分を納得させるためだけにネットをさまよう日々になっていた気がします。

最終的に「もう自分で確かめるしかない!」と、おもちゃコンサルタントの資格も取りました。

が、そこでも求めていた言葉には出会えず…。当時の私は、ちょっと絶望しました(笑)

 

結局どれだけ探し回っても納得できなかった私は、一旦冷静になって、積み木で育まれると言われている力を、自分なりにひとつずつ整理してみようと思いました。

「積み木遊びじゃなくても、他の遊びで代わりになっているかもしれない」そう思って見直してみた結果がこちらです。

積み木で育つ力積み木以外の代替おもちゃ・遊び
空間認識トミカコースつくり/プラレール/マグネットブロック
バランス感覚ジェンガ/グラグラタワー/ドミノ
創造力ごっこ遊び/お絵描き
指先の巧緻性ビーズ/折り紙/レゴ
集中力パズル/迷路/ボードゲーム/カードゲーム
自己表現ごっこ遊び/人形遊び/工作

そして、整理した結果、ようやくこう思うことができました。

息子は「積み木遊び」には夢中にならなかったけれど、こうした遊びの中で、自然と同じような力を育んでいた。

そう思えるようになったのは、「息子は大きな音が苦手なんだ」と気づいて、ようやく冷静になれたこと。

そして、息子が少しずつ成長して、私にも”振り返る余裕”ができたから。

たぶん、あの頃の私にこの話をしても「それでもやっぱり積み木が…」と、きっと納得しなかったと思います(笑)

でも、今だからこそ、その頃の私に言ってあげたい。

無理に「正しい遊び方」に誘導しようとしなくていいよ。

息子のペースや、やりたがっていることに、もっと目を向けてあげて。

そして何より、

目の前の息子を、もっとちゃんと見てあげて。

本当に大事なのは「積み木」じゃなかった|過去の私に届けたい言葉

積み木で遊ばなかった息子を前に、私はずっと「このままでいいの?」と不安を抱えていました。

でも振り返ると、いろんな遊びの中で、息子は何度もキラキラとした笑顔を見せてくれていたなと思います。

そして7歳になった今、息子は少しずつおもちゃから卒業して、外の世界へと踏み出そうとしています。

そんなふうに前へ進んでいけるのは、きっと家が安心できる”基地”として、彼の中にちゃんと根付いていたからじゃないでしょうか。

あれで良かったんだ。今ならそう思えます。

おもちゃの効果や教育論を知れば知るほど、「うちの子、ちゃんと育ってる?」「◯◯ができていないかも…」と不安になることってありますよね。

でも本当は、”何で遊ぶか”よりも、”誰とどんなふうに遊ぶか”の方が、ずっと大切なのかもしれません。

息子と過ごした時間、一緒に遊んだ記憶は、私にとってかけがえのない宝物です。

ただ、ひとつだけ後悔があるとすれば、もっと目の前の息子に、ちゃんと集中してあげればよかったなということ。

この文章は、そんなあの頃の自分へのささやかなエールです。

もし今「うちの子はこれでいいのかな?」とモヤモヤを抱えているかたがいたら、この経験が、ほんの少しでもその気持ちを和らげるきっかけになったら嬉しいです。

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